幕末太陽傳(ばくまつたいようでん)

幕末太陽傳 [VHS]

幕末太陽傳 [VHS]

映画ナイトなる、ゼミの遊び活動でみた映画。
邦画はほとんど見ないのですが、こういう機会があると見ることができるので、幅が広がっていいかもしれません。
特に、昔のは、良いって聞いてても、なかなか借りるとこまでいかないし。。。


さて、映画は日活が独立してまもない、1957年公開の、今見るとかなり古い映画です。
監督は、川島雄三監督。
僕は知らなかったのですが、この監督は非常に有名なようです。
今村昌平監督が、助監督をしている位なんで、すごい方なんでしょう(評価の仕方が、逆だけどw)
今なお、人気が高く、カルト的人気のある映画のようで、1999年にキネマ旬報が行った「オールタイムベスト100日本映画編」で5位に入賞するなど、「日本映画史上最高傑作」のひとつとも言われているようです。


ストーリーは、文久2年の品川宿遊郭旅籠 相模屋での出来事を中心に描いていて、主人公の佐平次は、金がないのに豪遊をして、その結果、相模屋で住み込みの手伝いをすることになり、トラブル解決やら下働きからとその才能を発揮し、旅籠に逗留する攘夷派の志士たちとも渡り合う、、、というようなもの。


で、肝心の見た感想ですが、う〜ん、なんとも言えませんねw
最近の洋画を見慣れた僕たちには、ちょっと話の流れが見えなかったり、こう論理的でないような感じがどうしてもしてしまうせいか、なんだかストーリーの核を見つけられないまま終わってしまう、という印象が強いです。
「本来、ここは笑いどこなんだろうな〜」というシーンも結構あるのですが、それが今の僕たちでは、いまいち笑えない。
これは、今の人でも、当時の映画を見まくっていたら違うんでしょうけど。。。


例えば、主人公はもともとは、落語に登場する人物で、その設定を持ってきていたり、幕末の高杉晋作による焼き討ち事件がエピソードに入っていたりと、かなりいろいろな伏線が隠されているようで、それが分かればもっと面白いんだろうな。


他にも、スター俳優の裕次郎を脇役で使ったり、撮影当時の風景が出てきたり、幻のラストシーンのエピソードがあったり、、、と、そういう知識があってみたら、ちょっと見方が違っていたかもしれません。
あと、映画内に登場する志道聞多は井上聞多、つまりのちの井上馨、伊藤春輔は伊藤俊輔、のちの伊藤博文である、なんてこととか。。。


しかし、予備知識無いまま見ても、面白ところはありましたよ!
例えば、主演のフランキー堺の素晴らしい演技!!
これは、主人公のキャラクターを上手く引き出しており、とても軽快に仕上がっていて、今見てもかなり面白いです。


それから、この時代の旅籠の風景や、着物などは非常に良く出来ていて、これに関しては、今のものよりもすばらしのでは?


そして、出ている俳優・女優のレベルの高さです。
当時の日本の俳優たちが、いかにレベルが高かったかを、まざまざと見せ付けられます。
今の、時代劇とか、もう少しこの辺を見習ってほしいもんですね〜w
あ、岡田真澄が、かなり若くてかっこいいのも、見所かも☆


最後に、カメラワークの面白さですね。
さすがは名監督というか、ちょっと今見ると不思議で面白い構図などが出てきて、それが勉強になりました。


以上、総合してみると、娯楽作品としてみると、今の僕らには成立しません。
しかし、カルト的な単館系映画とみなしてみてみると、意外にも面白いかもしれません。
見る前には、ネットなどで調べて、予備知識を入れてからみれば、かなり面白い。。。かも!!


ぜひ、映画好きの人は一度、見てみてください。
感想、お待ちしております。